「ヘルニアは治る!」これって本当?
ヘルニアって本当に治るの!?
「ヘルニアは治る!」
このような言葉には聞き飽きたでしょうか?
腰が痛い。足がしびれる。
もしあなたが長い期間痛みに悩まされていたとしたら、いろんなサイトを検索されてきたと思います。
そして「ヘルニアは治る」というような言葉には、何度も出会ってきたと思います。
では本当にこの言葉通り、腰のヘルニアは治るのでしょうか?
結論から言えば、「治ります」。
ただ、「この治療を受けたら1回で治る!」とかの表現に出会うと「ちょっと言いすぎかな?」と感じたりもしますが(苦笑い)。
しかし、痛みやしびれなど症状だけでいえば、もちろん一回の施術で変化する場合はあります。
でも、ヘルニアという状態が元に戻るには、もう少し期間が必要です。
ヘルニアが治る仕組み
ではヘルニアとは、そもそもどのような状態なのでしょうか?
ヘルニアというのは、髄核が椎間板から飛び出してしまった状態です。
そのため、周囲を通っている神経に刺激が入ってしまうため、腰~足に痛みやしびれなどの症状を出してしまいます。
では、ヘルニアのように飛び出てしまった部分が、どのようにしたら治るのでしょうか?
「出てしまっているのが本当に戻るの?」
不思議に思うかもしれません。
でも人間の身体は本当によく出来ています。
細胞レベルで見ると、身体は日々作り変えられています。
ヘルニアも白血球の1つ、貪食細胞(どんしょくさいぼう)の働きで吸収されていきます。
つまり腰のヘルニアも約3ヵ月間で細胞が作り変えられ、治っていくと言われています。(標準整形外科より)
ヘルニアと痛みは必ずしも一致しない
でも、3ヵ月も待てない!
今、どうにかして欲しい!
辛い時はきっとそう思いますよね。
ここで、もう一つ不思議に思うかもしれませんが、痛みの感覚は必ずしもヘルニアの状況と一致しません。
どういうことかというと、MRI画像でたとえヘルニアが出ていたとしても、痛みやしびれという症状が出ない方もおられます。
逆にヘルニアが出ていないのに、痛みやしびれがきつくて辛いという方もおられます。
つまり、「ヘルニアが出ているという組織的な状態」と「本人が感じる痛み」は必ずしも一致しないということ。
この部分がなぜ大事かというと、最初の話に戻りますが、1回の施術で「ヘルニアを治す」ことはできなくとも、1回の施術で「ヘルニアの症状を楽にできる」可能性があるということです。
痛みは身体を守るための防御反応
なぜこのように「ヘルニアの状態」と「感じる痛みやしびれ」が一致しないのでしょうか?
これは、痛みが作られる仕組みに理由があります。
痛みとは「脳を中心とした身体中の感覚器官のネットワークで作られています」。
そして痛みとは「身体を守るための表現方法です」。
脳は、身体の様々な部分の状態を、無意識に常に監視しています。
そして、すべての情報を総合的に組み合わせて、身体にとって「危険」と判断したら脳は「痛み」を出します。
つまり、「痛み」を出すことにより動けなくして、身体を守っているのです。
ヘルニアであっても痛みやしびれを楽にしていくことは可能
この考えからすると、ヘルニアという状態も脳に伝わる情報源の1つです。
もちろん、ヘルニアは身体にとって危険となりうる大きな状況ですが、それ以外にもヘルニアのような状態になっていると、様々な身体の変化があります。
例えば、周囲の筋肉の緊張、関節の固さ、神経のすべりの悪さ、場合によったら炎症反応も出ています。
つまり、これらの状態を総合的に脳は判断して、痛みを出すかどうかを無意識に決めています。
このような身体の仕組みからすると、たとえ、ヘルニアが出ていても、その他の部分の調整をすることにより痛みは軽減していくのです。
なんとなくイメージがわきますでしょうか?
正ひろ整骨院では、ヘルニアの治療には特に「動作」に関わる部分を重視します。
具体的には、筋肉や関節や神経の調整をしていきます。
このあたりは次回にまたお伝えしていきますね。
今回のまとめ
- ヘルニアは組織的には約3ヵ月間で治る。
- 「ヘルニア(髄核が飛び出ている状態)」と「痛み」は必ずしも一致しない。
- 痛みとは、脳が身体の状況を総合的に判断し、危険と判断したときに出る防御反応。
- たとえヘルニアであっても、その他の要素(筋肉や神経など)を調整することにより、短期的に痛みを楽にすることが可能。